バンコクでおすすめの観光名所といえば「三大寺院」を外すわけにはいきません。三大寺院とは、「ワット・プラケオ(王宮・エメラルド寺院)」,「ワット・ポー(涅槃寺)」,「ワット・アルン(暁の寺)」を指します。
この三つの寺院はチャオプラヤー川沿いの同じエリアに位置し、セットで観光することがおすすめ。じっくり見て回れば、3つのお寺を巡るだけでまるまる1日楽しめるコースです。唯一の難点があるとすれば、交通の便が悪くアクセスがしにくいこと…。
今回はその三大寺院の一つで巨大な黄金の涅槃像とタイマッサージで有名な「ワット・ポー(涅槃寺)」の見所と行き方をご紹介します。
Contents
ワット・ポーの概要
正式名称
ワット・ポーの正式名称は「ワット・プラチェートゥポン・ウィモンマンカラーラーム(Wat Phra Chetuphon Vimonmangkhlararm)」です。
英語
ワット・ポーの英語は「Wat pho」 または「Wat po」。ワット(Wat)とはタイ語で「วัด」と書きお寺を意味します。
涅槃像(涅槃仏)の英語は「Reclining Buddha(リクライニング ブッダ)」です。
歴史
ワット・ポーは、タイ・バンコクで最も古く、そして大きいお寺の一つです。
前身はアユタヤ王朝末期のプラペートラチャ王時代(1688~1703年)まで遡ることができます。後にチャクリー王朝ラーマ1世(1782~1809年)は荒れ果てた寺院を修復します。
さらにラーマ3世(1824~1851年)は、16年7ヶ月の歳月をかけて規模を拡大し、涅槃像の建造や大規模な修繕を施し現在の礎を築きました。
敷地面積は50ライ(80,000平方メートル)。観光地として有名な南側と道路を隔てた僧侶の住む北側に分かれています。
タイ最初の大学、そしてタイ古式マッサージの総本山
ワット・ポーはタイで最初の大学として知られています。タイ各地から集められた各方面の学術資料は、ラーマ3世の時代に敷地内の壁や大理石に刻まれ、訪れた一般人も知識や情報を共有することができました。
特に医薬関係の学術資料は、後にタイ古式マッサージの総本山としてもワット・ポーの名を轟かせる礎になります。
なお、壁や大理石に刻まれたイラストや資料は、2011年にユネスコの「世界の記憶」に登録されました。
入場料
入場料は100バーツ(フリーミネラルウオーター付き)。
拝観時間
拝観時間は8:30-18:30(毎日)です。なおタイ人は無料になります。
拝観時の服装の注意点
拝観時には、タンクトップ,極端に短い半ズボン(ホットパンツ,ショートパンツ),ミニスカートなど肌の露出が多い服装、サンダル履きは禁止されているのでご注意を。
なお、涅槃像の精舎手前には服装チェックがあり、不適切な服装と判断されると黄緑色のローブが貸し出されます。
こんな服装はNG!寺院を参拝するときに不適切な服装
- タンクトップ
- 極端に短い半ズボン
- ミニスカート
- 背中の大きく開いた服
- サンダル履き
ワット・ポーの見所
全長46メートル!金色に輝く涅槃像
何を差し置いてもワット・ポー最大の見所は金色に輝く「涅槃像(リクライニングブッタ)」です。ラーマ3世によって作られました。
全長46メートル、高さ15メートルの涅槃像はタイ最大の仏像のひとつ。間近で見ると、その迫力に圧倒されます。
涅槃仏の足の裏は全長4.5m、高さ3m。各足の裏には108つの真珠層で作られた縁起のいい図柄がはめ込まれています。
煩悩を消し去る108の鉢
涅槃像の背中側に位置する通路には、108のブロンズ鉢が並べられています。
108の鉢にコインを喜捨することによって、百八煩悩から解放されると信じられています。
なお、喜捨するサタン硬貨は1カップ20バーツです。
歴代のラーマ王を祀る高さ42メートルの仏塔
敷地内には大小様々な仏塔があります。なかでも一際目立つのは、中央に位置する高さ42メートルある4基の大きな仏塔(パゴダ)です。
4基の仏塔には、それぞれ違う色彩を放つモザイクのガラスタイルがはめ込まれています。緑の色彩の仏塔はラーマ1世、白はラーマ2世、黄色は3世、そして青はラーマ4世を表しています。
400体の黄金に輝く仏像が配置されている回廊
本堂につづく回廊には約400体の仏像が配置されています。内側に150体、外側の回廊に244体以上の黄金の仏像があります。
また、随所に見ることができるユネスコの「世界の記憶」であるイラストや壁画も見応え十分です。
観光の所要時間は
さて、見所いっぱいの「ワットポー」を見て回るには、どのくらいの時間を見ておけばいいのでしょうか?
ゆっくり見て回れば2~3時間。涅槃像を中心に駆け足で見るなら小1時間もあれば十分だと思います。
バンコク中心街からワット・ポーへの行き方
バンコクの三大寺院は「チャオプラヤー川」流域に位置します。現時点では周辺に電車は開通していません。
では、バンコク中心部から「ワットポー」へアクセスする場合、どのような方法があるのでしょうか?出発地によっていろいろ考えられると思いますが、今回は以下の4つの方法をご紹介したいと思います。
- BTSスカイトレイン「サパーンタクシン駅」 から水上バス
- タクシー
- BTSスカイトレインと地下鉄+タクシー(トゥクトゥク)または公共バス
- 公共バス
おすすめは一人旅なら「サパーンタクシン駅」 から水上バス、複数人ならタクシーの利用です。
BTSスカイトレイン「サパーンタクシン駅」 から水上バス
チャオプラヤー川では、渋滞がなく観光客にも人気の「水上バス」が運行されています。水上バスは大きく分けて2種類、旅行者向けの「チャオプラヤー・ツーリストボート」と「チャオプラヤー・エクスプレスボート」があります。両ボートは、船体に掲げられた旗で見分けます。
乗降地点はいくつかありますが「サパーンタクシン駅」そばの「サートン船着き場」が使い勝手がいいですね。
まずは、BTSスカイトレイン・シーロム線で「サパーンタクシン駅」まで移動。駅の2番口を出るとすぐに「サートン船着き場」があります。
ツーリストボートならでワット・ポーのある「N8ターティアン」までは約30分です。
チャオプラヤー・ツーリストボート
「チャオプラヤー・ツーリストボート」は、ブルーの旗を掲げた観光客向けのボートです。
料金は高め(40バーツ)ですが、英語の観光ガイドがあるので初めての方でも安心です。「サートン」から「N8ターティアン」までは約30分。
料金
40バーツ、1日乗り放題パスは150バーツ。
乗船券は「サートン」のチケットオフィスまたは、船内でも購入可能。
運行区間
サートン ⇔ バンランプー (プラアーティット)
運行時間と運行間隔
運行時間は9:30~18:00で、運行間隔は30分。
チャオプラヤー・エクスプレスボート
「チャオプラヤー・エクスプレスボート」は旗の有無、そして掲げる旗色によって行き先や停まる船着き場、料金が違う4種類のボートがあります。
旅行者に使い勝手がいいのはオレンジ色の旗を掲げたボートです。料金は14バーツで、運行間隔は約20分。料金は船内で係員に支払います。
「サートン船着き場」には4種類全てのボートが停まりますが、「N8ターティアン」に停まるのはオレンジの旗と旗のないローカルラインです。
旗の色 | 運行区間 | 運航日 | 料金(B) |
---|---|---|---|
オレンジ | ワット ラーチャシンコーン⇔ノンタブリー | 毎日 | 14 |
グリーン | サートン⇔パークレット | 月-金/朝夕 | 10~31 |
イエロー | サートン⇔ノンタブリー | 月-金/朝夕 | 19~29 |
ローカルライン(旗なし) | ワット ラーチャシンコーン⇔ノンタブリー | 月-金/朝夕 | 8~12 |
「チャオプラヤー・エクスプレスボート」ウェブサイト
(時刻表や船着場など詳しい情報はこちらを参考にして下さい)
旅行者におすすめの水上バスは?
旅行者におすすめの水上バスは
- ブルーの旗を掲げた「チャオプラヤー・ツーリストボート」
- オレンジの旗を掲げた「チャオプラヤー・エクスプレスボート」
です。
タクシーを使う場合
ホテルからタクシーを利用するのはやはり便利ですね。複数人の場合は特におすすめです。ただし、朝夕のラッシュアワーでは渋滞につかまる可能性が大きいのでご注意を。
ちなみに、私が昼間にサトーンから対岸のワットアルンまでタクシーを利用した時は約100バーツでした。
電車スカイトレインと地下鉄 + タクシー(トゥクトゥク)を使う場合
ワット・ポーの位置するチャオプラヤー川周辺は、BTSスカイトレインや地下鉄の駅からは距離があります。
スクンビット地区なら「サイアム」,「ナショナルスタジアム」までBTSスカイトレイン、シーロム地区なら「ファランポーン」まで地下鉄を利用して移動したあとにタクシー(トゥクトゥク)や公共バスを使うのはどうでしょうか。
公共バスを使う場合
公共バスを利用するのが最もリーズナブルですね。ただし、タイのバスは旅行者向けではありません。初めてタイに訪れる方や短期旅行者にはおすすめできません。
ワット・ポー,王宮周辺を通る路線バス
番号 | 区間 | 主な通過地 |
---|---|---|
25 | Phraek Sa ⇒ 王宮(上り) | ファランポーン,サイアム,バンナー,スクンビット通り |
44 | BigCラップラオ ⇔ ターティアン船着場 | モーチット |
47 | クロントゥーイ ⇔ ワットポー | ナショナルスタジアム,シーロム,ルンピニ公園 |
48 | ラムカムヘン大学2 ⇔ ターティアン船着場 | ナショナルスタジアム,サイアム,チットロム,ナナ,スクンビット通り |
508 | パークナーム市場 ⇔ 王宮 | ナショナルスタジアム,サイアム,チットロム,バンナー,スクンビット通り |
512 | パーククローン市場 ⇔ モーチット2 | ターティアン,王宮,プラトゥナーム,ペッブリー |
タイ・バンコク三大寺院の地図
ワット・ポー敷地内にあるマッサージセンター
「タイ古式マッサージの総本山」と言われるワット・ポーの敷地内には、マッサージセンターがあります。このマッサージセンターは、1955年にタイ政府が承認した最初のマッサージ学校「ワットポー・タイ・トラディショナルメディカル・マッサージスクール」の系列です。
「ワットポー・タイ・トラディショナルメディカル・マッサージスクール」は、日本人にもとても人気があるマッサージスクールですね。スクンビット(プロンポン)にも分校があります。
営業時間
8:00ー19:00(毎日)
料金
30分 | 1時間 | |
---|---|---|
フットマッサージ | 260バーツ | 420バーツ |
ボディマッサージ | 280バーツ | 420バーツ |
オイルマッサージ | n/a | 680バーツ |
チップの相場
よいマッサージを受けた時には、チップを払いましょう。チップの相場は1時間で20~50バーツです。
ルーシーダットン
「ルーシーダットン」は、タイ伝統古式ヨガです。ワット・ポーのマッサージセンター前では、毎日朝8時から8時半までルーシーダットンを無料で体験が出来ます。
最後に
タイの三大寺院巡りは、バンコクの観光の中でもメインと言えます。それだけに訪れる観光客も多く、その観光客を狙った犯罪も多発しています。
特に王宮付近は、「宝石やオーダーメイドスーツを強引に売り込むキャッチセールス」が多いと言います。
宝石店又はスーツ仕立店とのトラブル
「トゥクトゥク(三輪タクシー)」や「メータータクシー」の運転手が、「王宮や寺院等を案内した後、素敵なお店(スーツ、宝石)に案内します。」等と、親しげに声を掛けるケースが殆どです。
引用:在タイ日本国大使館
実際に私も声をかけられたことがあります。こんな胡散臭い輩がいたら決して信じないようにご注意を。