▲バンコクMRT(地下鉄)ブルーラインのプラットフォーム
「バンコクMRT(地下鉄)」は、バンコク中心部を走る「ブルーライン」とバンコク市内北部から宅地開発が進むノンタブリー県に乗り入れる新線「パープルライン」の2路線があります。
「ブルーライン」の運行区間は、「フアランポーン駅」と「タオプーン駅」間の全長約21km、所要時間は最短で約30分。「パープルライン」は、「タオプーン駅」と「バンパイ運河駅」間の全長約23kmを30分ほどで結びます。
地下鉄は「BTSスカイトレイン」,「エアポートレールリンク」同様に、バンコク都心に早く快適にアクセスする上で欠かすことのできない都市交通網の重要な担い手の一つですね。
今回は「バンコクMRT(地下鉄)」の料金や営業時間,停車駅,乗り方などを詳しくご紹介したいと思います。
ブルーライン | パープルライン | |
---|---|---|
開業年 | 2004年 | 2016年 |
営業区間 | フアランポーン – タオプーン | タオプーン – バンパイ運河 |
営業キロ数 | 21 | 23 |
総駅数 | 19 | 16 |
▲ブルーラインとパープルラインの比較
Contents
バンコク最初の地下鉄「ブルーライン」
▲MRT地下鉄のマーク「M」
「ラチャダーエリア」に便利、旅行者にも人気の「ブルーライン」
BTSスカイトレイン(1999年開業)に遅れること5年、「ブルーライン」はバンコク最初の地下鉄として2004年に開業しました。
タイ国有鉄道の起点駅「フアランポーン駅」とバンコク市内北部に位置する「タオプーン駅」間の全長約21kmを結び、19の駅が設置されています。所要時間は最短で約30分。
「チャトチャックエリア」から「ラチャダビセーク通り」を縦断し、「シーロム通り」,「スクンビット通り」,チャイナタウン(ヤワラート)にも近い「フアランポーン」などの観光エリアにもアクセスできる「ブルーライン」は、旅行者にとっても使用頻度が高い路線です。
ホテルや大型モールが多くあり,クラブやバーなどのナイトライフも楽しい「ラチャダーエリア」はブルーラインによって格段に便利になったエリアの一つです。
▲地下鉄ブルーライン「チャトゥチャック公園駅」出入口
ところでバンコクは毎年、雨季の洪水被害に悩まされます。地下鉄の出入口は浸水防止のため、地上より幾分高く設置されています。上の写真では7段の階段がありますね。
なお、MRTの目印は青いまるの中にM字です。
ブルーラインの主な停車駅
観光客が多く利用する主な停車駅に「チャトゥチャック公園駅」,「タイ文化センター駅」,「ラーマ9世駅」,「ペッチャブリー駅」,「スクムウィット駅」,「シーロム駅」,「フアランポーン駅」などが挙げられます。
駅 | ランドマーク |
---|---|
チャトゥチャック公園駅 | チャトゥチャック・ウィークエンドマーケット |
タイ文化センター駅 | 鉄道市場(タラートロットファイ),エスプラネード |
ラーマ9世駅 | フォーチュンタウン,セントラルプラザ・グランドラマ9 |
ペッチャブリー駅 | エアポートレールリンク乗換 |
スクンビット駅 | BTSスクンビット線乗換,ターミナル21 |
シーロム駅 | BTSシーロム線乗換,タニヤ通り,パッポン通り |
フアランポーン駅 | タイ国鉄乗換,中華街(ヤワラート) |
乗り換えと接続駅
地下鉄「パープルライン」へは「タオプーン駅」が接続駅です。
他の交通機関へは、「ペッチャブリー駅」でエアポートレールリンク(ARL)の「マッカサン駅」,「シーロム駅」、「スクンビット駅」、「チャトゥチャック公園駅」でBTSスカイトレイン,「フアランポーン駅」でタイ国有鉄道に乗り換えができます。
ブルーライン駅 | 乗り換え | |
---|---|---|
タオプーン駅 | パープルライン | タオプーン駅 |
バンスー駅 | タイ国鉄 | バンスー駅 |
チャトゥチャック公園駅 | BTSシーロム線 | モーチット駅 |
バスターミナル | モーチットマイ | |
ペッチャブリー駅 | エアポートレールリンク | マッカサン駅 |
スクンビット駅 | BTSスクンビット線 | アソーク駅 |
シーロム駅 | BTSシーロム線 | サラデーン駅 |
フアランポーン駅 | タイ国鉄 | フアランポーン駅 |
待望の新路線 地下鉄MRT「パープルライン」
全線高架の「パープルライン」は2016年開業の新路線です。
ブルーラインと接続するターミナル駅「タオプーン」とノンタブリー県「バンパイ運河駅」間の全長約23kmに16の駅が設置されています。所要時間は約30分。
バンコク市内北部のバンスー地区から近郊のノンタブリー県を結ぶこの路線は、観光エリアから離れたローカルエリアを走ります。
- 営業距離は約23kmで16駅があり、所要時間は約30分
主な停車駅
バンコク郊外を走行するパープルライン沿線には、まだ目立った観光スポットはなく今後の開発が期待される地域です。
駅 | ランドマーク |
---|---|
タオプーン駅 | 始発駅 |
バンヤイ市場駅 | セントラルウエストゲート |
バンパイ運河駅 | 終点駅 |
「バンヤイ市場駅」には、2015年にオープンした大型ショッピングモール「セントラルウエストゲート」が直結しています。
乗り換えと接続駅
▲ターミナル駅「タオプーン」の構造
「タオプーン駅」は、ブルーラインとパープルラインを接続するターミナル駅。3階がブルーライン、4階がパープルラインのプラットフォームになっています。
パープルラインは日本の鉄道技術を採用
「パープルライン」は、車両,運行システム,メンテナンスに日本の都市鉄道技術をパッケージとして採用した初めての海外鉄道路線です。参加企業は、JR東日本,東芝,丸紅の3社による共同事業体。
なお、「パープルライン」は日本のODA(政府開発援助)を利用して建設されました。
地下鉄MRTの路線図
地下鉄MRTの料金は?
乗車距離をベースに細かく分かれる料金体系
運賃は乗車距離をベースに細かく分かれています。「ブルーライン」は16バーツから42バーツ、「パープルライン」は14バーツから42バーツ。
子供料金は?
子供料金(90cm~120cm)は半額、90cm未満の場合は無料です。また、シニア料金(半額)があります。
プリペイド式ICカード「MRTカードとMRTプラス」
▲MRTのチャージ式プリペイドICカード アダルトカードは青色
乗車券はチャージ式の「プリペイドICカード」の使用も可能。ブルーラインだけで使える「MRTカード(Stored Valued Card)」とブルーライン,パープルライン双方で使うことのできる「MRTプラスカード(Stored Valued Card Plus)」が販売されています。
「MRTカード」「MRTプラスカード」は、窓口でチャージと購入が可能。料金は180バーツ(運賃部分100バーツ、50バーツがデポジット、30バーツがカード発行手数料)。チャージは100バーツ以上で上限は2,000バーツです。
一般カード(アダルト)の他に子供,学生,シニアカードがありそれぞれ50%,10%,50%の割引になります。
パープルラインはICカードの利用で割引運賃(14バーツから29バーツ)が適用されます。
お得な30日ブルーライントリップパス
ブルーラインにはICカード(MRTカードとMRTプラスカード)にチャージする形で30日間有効の回数制定額パッケージが販売されています。
例えば、「パッケージ1」の料金は450バーツ。1乗車あたり30バーツで15回までブルーライン路線内が乗り放題となるパッケージです。旅行者にはちょっと使い勝手が悪いですね・・・。
回数 | 料金(バーツ) | 1回あたりの料金 | |
---|---|---|---|
パッケージ 1 | 15 | 450 | 30バーツ |
パッケージ 2 | 25 | 700 | 28バーツ |
パッケージ 3 | 40 | 1,040 | 26バーツ |
パッケージ 4 | 50 | 1,250 | 25バーツ |
▲ブルーライントリップパスの種類
地下鉄MRTの営業時間(始発,終電)と運行間隔
ブルーライン | パープルライン | |
---|---|---|
運転間隔(分) | 5~10 | |
営業時間 | 6:00~24:00 | 5:30~24:00(平日) 6:00~24:00(土日) |
営業時間は6:00から24:00。ブルーラインの運行間隔はラッシュ時で約5分。
▲ブルーラインとパープルラインの始発と最終電車(クリックで拡大します。)
BEM(Bangkok Expressway and Metro)ウェブサイト
自動券売機でのトークン(乗車券)の買い方
▲MRTの自動券売機
「トークン(乗車券)」は、タッチパネル式の自動券売機で購入。機械には操作手順番号が振ってあるのでわかりやすいですね。
なお、500バーツ,1000バーツ紙幣は窓口で対応が可能です。
①MRTの自動券売機のタッチパネル部分
まずは、①の番号が振ってあるタッチパネルを操作します。上のオレンジ枠をタッチするとタイ語から英語に言語変更ができます。
次に目的の駅名をタッチ。赤丸が現在地で緑が目的地です。
右下の「Your journey price」の下に乗車運賃が表示されます。上の写真では運賃は23バーツ。
②MRTの自動券売機の硬貨,紙幣挿入口
硬貨か紙幣を投入します。硬貨は1,5,10バーツ、紙幣は20,50,100バーツの使用が可能。
③MRTの自動券売機の乗車券受取口
料金投入後に、券売機下方にある③の部分にトークン(乗車券)とおつりがでてきます。
▲MRTのIC内蔵トークン(乗車券)
切符になるIC内蔵のトークン。素材は樹脂、形はコイン型で大きさは500円玉より少し小さ目です。
地下鉄MRTの乗り方
▲MRTの自動改札口
地下鉄の自動改札口は、乗車券にトークンを採用するエアポートレールリンクとほぼ同じ形状。
▲MRTの自動改札口(入口)
入口ではトークン、またはICカードを矢印のパッド部分に読ませると赤いバーが開きます。
▲MRTのプラットフォーム
プラットフォームにはホームドアが設置されているので安心感がありますね。電車の到着を待ちます。
▲MRTの自動改札口(出口)
出口では、トークンを矢印のスリットに投入するか、ICカードをパッドに読ませることで赤いバーが開閉します。
地下鉄MRTの治安と注意点
出入口でのセキュリティチェック
▲MRTの「スクンビット駅」の出入口
地下鉄MRTの出入口には、セキュリティチェックポイントが設けられています。主な理由はテロ対策で、危険物の有無をチェックします。鞄を開けて中身の確認をする場合もあります。
電車内での注意点
▲MRT電車内は「BTSスカイトレイン」や「エアポートレールリンク」とほぼ同じデザイン
電車内は「BTSスカイトレイン」や「エアポートレールリンク」同様に清潔で管理が行き届いています。
バンコクは比較的安全と言われ、構内や電車内で犯罪等に遭った話はあまり聞きませんが、鞄を前に抱えるなどして貴重品の管理はしっかりとしていた方が無難ですね。特に、朝夕のラッシュ時には、スリや置き引きなどに注意しましょう。
電車に乗るときの注意点は、「駆け込み乗車をしない」,「騒がない」,「飲食をしない」など基本的には日本の電車内と同じです。
ちなみに、タイでは地下鉄に限らず、公共交通機関で妊婦,お年寄りに加えて子供に席を譲る習慣があることを覚えておくといいかもしれません。
バンコクの都市鉄道ネットワークのこれからと延伸計画
バンコクの都市鉄道網は、現在急速なピッチで開発が進められています。既存路線のBTSスカイトレインと地下鉄ブルーラインも延伸工事が行われています。
新規路線としては、ブルーライン,オレンジライン,ピンクライン,イエローライン,グレーラインなどが計画されています。
最後に
バンコクでは、地下鉄やBTSスカイトレイン,エアポートレールリンクを利用することで快適に、そして早く市内を移動することができます。
特に「ブルーライン」は、旅行者にとっても使い勝手がいい路線です。地下鉄を利用することを前提にすれば、宿泊費が比較的安価なラチャダーエリアのホテルに滞在するのも一つの選択肢ですね。